香水の場合は、見えない香りのイメージをふくらませ、香りのメッセージを的確に表現する必要があります。 つまり感性にアピールし、突き動かすインパクトが要求されるのです。
そのため、もっともポピュラーなのが、ブランドやデザイナーの名前を冠したネーミングです。 これは、とらえがたい香りのイメージを伝えるのにとてもわかりやすい方法ですし、また非常に困難な、国際的な商標登録がしやすいという大きな利点もあるからです。

「利己主義者」などは非常にインパクトがありあまりに有名ですが、他にも印象的で個性的なネーミングの香水がたくさんあります。 「ラッシュ=あわただしさ。
麻薬の快感=コントロールできない高揚感」そんな中で、ヒネリが効いていて傑作だと思うのが、IMの「LI=イッセイの水」です。 ネーミングの発音は、古代ギリシャの大詩人・ホメロスの海を舞台とした大叙事詩のヒーロー、オデッセイを祐俳とさせ、同時に水を、さらにはIMその人を連想させるという、トリプル効果があります。
おもしろそうなネーミングに出会ったら、辞書で調べ、その意味を知ることも楽しいですよ。 新生児の名前の、人気ランキングの変遷はとても興味深いものです。
4、5年前トップだった名前が突如消え去ったり、初めて耳にする珍しい名前が急に浮上したり、その推移からそれぞれの時代を感じ取ることができます。 香水のネーミングもまた、その時代背景を反映したものが多く見られます。
1900年代初頭、ヨーロッパに起こったジャポネスク(日本趣味)を敏感に感じ取った、Gの「M」、続く「夜間飛行(=ヴォルドニュイ)」は、『星の王子さま」で有名なSの同名の小説が評判を呼んだため、作家へのOとして創った香水でした。 同時に、当時の人々の航空機への憧れを反映させたものでした。
その後、L「ML」、H「K=四輪馬車」などエレガンスを求める風潮に呼応した上品なイメージの名前が多くなります。 年代から盛んになった女性の社会進出は、年代に入って大きく花を開きます。
Eの「B」、「Wリネン=白い麻」、SB「オンブルローズ=うす紅色の」などのロマンチックなネーミングと並んで、「P」や「O」などショッキングなネーミングで自由を謳歌する女性を象徴しました。 とりわけ時代との関連性を巧みに活用したのは、Cです。
時代を予言するネーミング戦略は、香りのよさとあいまって常に成功しています。 シングルバーが流行り、一夜のパートナーを行きずりにハントした年代半ばには、「O=(性的)妄想」を、ところがその後、エイズの脅威が広まるやいなや「E=永遠(の愛)」を発表しベストセラーとなりました。


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